小林篤司さん◆スタートは徳島、ゴールは世界?!――時空間を自在に飛びまわるマルチ事業の海賊(後編)

「パスポートは必要だけど、海外って近いですよ。わたしの中で、カンボジアと東京と距離は変わらない」

小林篤司(こばやし・あつし)さん
徳島を拠点に、東京、東南アジア、欧州を駆けまわり、マルチな事業を展開している小林篤司(こばやし・あつし)さん。もともとはITで起業した小林さん、いまやカンボジアでは「食の安全」をテーマに現地政府と食品安全の制度を作るプロジェクトに、バングラディッシュでは現地の「人材育成」からビジネスの仕組みづくりと多方面に活躍。一方日本では、地元徳島の限界集落「上勝町」の地域創生に心血を注ぐーー「社会がよくなることはおもしろい」と言う、マルチな活動に挑む素顔に迫ります。

前編から引き続き、小林さんに具体的な地域創生の取り組みについて訊いた。

「世界一の分別」はブランド

「わたしの自宅は上勝町にあり、いまもそこに住んでいますが、〝ゼロウェイスト〟という取り組みがあります。ゴミのリサイクル率81%、分別は45品目、おそらくリサイクルの世界で、分別数では世界一だと思います。上勝町ではこんなにものすごくぶっ飛んでいることをやって、ゴミ収集車も町の中に走っていません
そもそもゴミ処理場がないからという理由で始まったことですが、分別したものを売って少しでも財政をよくしたいという動機があったので、〝分別数が多いこと〟がえらいわけでもない。ただ、すごくキャッチーで、すごく良い取り組みなのは間違いありません。町の人たちからするともちろん不便だし、〝ゴミ収集車を走らせてくれ〟と言う方もいます。それでも人々の中に〝もったいないな〟という感覚があったんです」

 

45品目の分別と聞いただけで頭が混乱しそうである。実際に生活されている小林さんは、どう感じているのだろう?
 

「それは大変ですよ。まず本当に余計なものを買わなくなりました。分別がめんどくさすぎて最初にやめたのはすごく高いカップラーメンです。いろんな具材があって粉末のスープもあれば調味油もあって、ごま油の袋とか最悪です。あれを洗わなければプラゴミとして出せないので、もう洗う手間を考えたら食べないというふうになります」

 
実におもしろい。本来捨てるときには捨てることしか考えないものの、そもそも買う段階から「捨てること」を考えるだなんて。

 
「それがゴミの発生抑制につながっているんだなと。やはり環境に対して真剣に考えるようになります。捨てるという行為がゴミの収集日だけを気にしていた生活から、マテリアルとして見だす。そんなことが自然と身につくようになりました」
 

地域の文化や活動に企業活動を「のらせて」もらう

 

「実際に上勝町のゴミの分別は20年以上やっているわけです。それはわたしたちが仕掛けたことでもなんでもなくて、上勝町の人たちが本当に真面目にやってきた地域のひとつの文化なんです。そこにわたしたち商売人が町の人たちのやっている活動や文化にのらせてもらったということなんです。
重要なのは、町の人たちの活動そのものを壊さないように、わたしたちの仕事が経済的な側面を支えて、それで地方経済がより良い方向にまわっていけばいいなと思っています」
 

数ある地域資源に対して「やってみたいな」と思う基準はあるのだろうか? 小林さんの嗅覚のようなものを知りたいと思った。
 

「わたしたちは年代的に高度成長期から就職氷河期を迎えて、いろんなバブルがあって、もちろんそのバブルも崩壊して、今は少子高齢化とか過疎化とか重たい問題に直面している世代です。今たぶん不必要なものは買わなくても生活できるじゃないですか? だからなにか商品やサービスを作って売ろうとしたときに、ちょっとでも社会のためによくなるようなものを必然的にチョイスするような時代になったのではないかなと思っています。
社会が良くなることはおもしろいです。ビジネスという側面からちょっとでも社会がよくなるのであれば。そんなところに自分自身としての楽しさや喜びも見出しています」
 

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