「無理」と言えるとブレない

島貫
自分の弱さを認めて、それがまあ、強さなのかもしれないです。だから「無理です」って言えるとブレない。以前ある会社の経営陣にはいってよってと言われたんですが。

江尻
あ、それ使ってみたことあるかも。

島貫
「無責任なことはできません」と断りました。目先と将来像は当然イメージできるので、そこをつないでいく作業をするわけじゃないですか? 確かに途中で時価総額を上げて上場できるかもしれないし、キャピタルゲインがあるかもしれないけれども、先がわからない。何度も「投資をするんだけど一緒に考えようよ」「無理です」というやりとりがありました。上場するとか、ポジションとか言い出すと途端にパクッと食いつく人って、たくさんいるんじゃないですか?

江尻
たくさんいる。そしてFacebookに「◯◯(ポジション名)になりました」ってバンと載せる。あるね、平成ってそんなのばっかりじゃなかったっけ? 最近Facebookの友達をガリガリ削り始めてますよ。

島貫
ああ、正しいですね。私は基本、人のFacebookは見ないのですが、パパパと眺めると行動を逐一アップしている人がいて、それにいいねをしている奴もけっこういる。ある意味、承認欲求の一つなのかなと思いますね。ご覧いただくとわかりますが、私のプライベートライフは一切載っていないので。

江尻
一言だけだもんね。

島貫
ひたすら前日の怒りを、抽象化して自分のこととして書くんです。今日は「自覚症状ないのが最も危険、定期診断が必要」と書きましたが、要は自覚症状がなくてガンが進行して、そのうち破裂して出血多量で死ぬだろうなと、そんな内容です。このインスタと動画の時代にひたすら文字だけです。

江尻
なんでFacebookなの? Twitterでもいいよね。

基本、取材は受けません

島貫
Twitterは拡散して変な反応が返ってくるのが嫌なので。今回は取材を受けさせていただいていますけれども、基本メディアは大嫌いなので出ないです。

江尻
ありがとうございます。

島貫
とんでもない。江尻さんのお話ですからそれはもう喜んで。

江尻
じゃあ、スーパーレアだね。

島貫
基本、取材は受けませんから。だから楽天の物流の時もたくさん取材が来ていたはずですが、PRの奴に「絶対に受けないから」と言っていました。で、おもしろいのは私が辞めてからは結構バンバン出てるんですよ。この先が楽しみです。

好きなようにしかやらない

江尻
いや、俺もけっこう楽しく仕事はしていたけど、中国でひどい目に遭ったんです。えらく面倒くさいことをやらされていた気もする。「こいつバカじゃないかな?」と思われていたかもしれない。ソニー時代からそんな感じかもしれない。

島貫
でも誰かがやらないといけないんです。皆が結果として幸せになるというか、うまくまわっていいんじゃないんですか?

江尻
結果的には、作った会社は全部存続しているし。

島貫
世の中にそういう人間が必要なんです。私はそうじゃないかもしれませんが。

江尻
俺なんか今ちゃらんぽらんですからね。島貫さんのほうが、社会的インパクトは圧倒的に出せますよね。

島貫
社会的インパクトは、そうですね。メーカーさんからいいスポーティンググッズが提供いただければ、世の中に広められるし、日本で従事している人々もそこで幸せにできるわけですからね。いまはちょっと違う方向で、会社のインフラを整備していて、そこのやり方をちょっと変えようかなと。まあ、少し時間はかかりますけれどね。

江尻
そうね。やはりインパクトを出し続ければ

島貫
好きなことしかやらないというか、好きなようにしかやらない

江尻
俺はいま研究段階でちょっと学問しようと。

島貫
やはり違う道に行っちゃいましたね。

江尻
何かね。どこに行くんだろう。

島貫
いいんです。自分の道を既存の価値観に左右されず、判断できる人。

江尻
どんどん変な方に行っているような。一般人に理解できないことをやっていると思うよ、今。

島貫
長銀時代の同期がいて、この間まで上場企業の役員をやってたんですが、退任して今プータローです。理由を聞いたら「私の優先順位と創業者の優先順位が違ったから辞めた」って。「1年ぐらいプラプラする」と言っていて、その人はそれなりに社会的なメッセージとかを出すのでいいんじゃないかと。しかも既存の価値観に左右されずに判断や行動ができている。そんなやり方ができるのはいいですよね。

江尻
自分の軸を持っている人が好きなんだね。ブレない、人に影響を受けない人ね。

島貫
ある意味、頑固者ですよね。

江尻
まあ、変な人が多いね。一般的に言うとおもしろい人ね。

島貫
普通の判断基準で言うと私は変なほうに入りますからね、間違いなく。標準ではない。さすがにそこは自覚しています(笑)

クライマックスの最終編へ!