こんにちは、ルビーです。店頭から桜餅が消え、柏餅に取って代わっておりました。なんだか今年はぽかぽか陽気のなかでお花見! という感じではなかったのですが、甘味は堪能した次第です。

 

進行中の訳書の件で問い合わせをしたら、(原書版元の)担当者がブックフェアに参加しているとかでなかなか回答が得られないときた。ああー、そういえばそんな時期だなぁとしみじみ。なんだかんだと翻訳書の編集をしていたときは年に2度、アメリカとヨーロッパのブックフェアに行っていました。ずいぶんご無沙汰しているのですが、今回はすこし回顧録などを……。

 

ブックフェアとは、本の見本市のようなもので、出版社の担当者が本の買い付けに来る場です。ファンタジー小説に新風を巻き起こした「ハリー・ポッター」シリーズはご存知ですよね? このシリーズは本を書く前に版権(翻訳出版権)が売れたのですが、当時、権利者と会うと終始にこやかで、「この先10年くらい仕事しなくてもオッケー」なんて話していました。なんとなく(金銭的な)スケールの想像がつくでしょうか?(かえって想像つかないですよね/笑)

 

さて、初めてブックフェアに行ったのはいつだっけ……と思いを馳せたら、えー! もう四半世紀も前のことで、われながらびっくりしてしまいました。人生は走馬灯の如しと言いますが、走馬灯の点検もたまにしておかないとな、なんて。

 

このときは、ロスで担当者と会って話をしてこい、というとても雑な上司命令で、どう考えても滞在時間のほうが短くない? という2泊3日の時差ぼけをしに行くような旅程でした。

 

そして当時バブル期だった出版業界。決まって夜は会食。超有名ホテルに宿泊されていた女史に、「おフランス料理を予約したからわたくしのお部屋にいらっしゃい」と呼びつけられました。部屋をノックすると、そこには夜会にでも行くのかという装いのロングドレスを着た女史が待ち受けていて、「ひとまず仕事の打ち合わせだけ先に済ませてしまいましょう、お楽しみはそのあとでね♪」というノリだったので、若干ビビりました。

 

おいおい、お楽しみってなんだよ〜? わたくしの貞操が…?(下世話)

 

ディナーが始まると、酒豪と名高い女史の飲むピッチは速く、フルコースの半ばでワインが3本目に入ったとき、つられてわたしもすっかり酔っ払い。そして、だんだんできあがってきた女史が、おもむろに身の上話を始めました。

 

バーに移動してもなお深夜まで続いた身の上話は、つまるところ「お金があるから幸せってわけじゃないのよ」というものだったと記憶しています。

 

そのあと、どう帰ってきたのか不明のまま、きちんとシャワーも浴びて寝て、翌朝の朝食ミーティングにもきっちり間に合う自分をほめてあげたかったです。われながら辟易するほど毛穴中からもれる酒臭さ。それをどうにかしようと、オレンジジュースをしこたま飲み、その日の午後便でへろへろになりながら帰路に着きました。

 

たったそれだけの初ブックフェア。最初で最後のブックフェアだと思っていたのに、数奇な運命にもてあそばれて(?)、毎年参加することになるとは……。

 

ブックフェアという場を金銭的な道理でいえば、「権利が高く売れて、たくさん本も売れてくれれば最高!」っていうことなんですけど、驚くことに、属人的な関係というのも、いまなお続いているんですね。たとえば「この本はあなた(の会社)だからまかせたい」というように。出版社ひいては、担当者の経験や勘に頼る、人ありきなところが、数字でサクサクと割り切る交渉だけで成り立っているのではないんですね。

 

10年ほど前に他社の編集者に「ロールモデルはいますか?」と訊かれたことがあります。即座に「いません」と答えましたが、なんだか斬新な質問でした。属人的を説明するようなものだなと思ったもので。編集をロールモデル化としようにも言語化しにくいし、これといったルールもないようなものですし。「その人らしさ」としか言いようがない。そんなふうに考えると、「その人らしさ」を突き詰めることを仕事にしたのは、まんざらでもなかったのなと思ったりしています。

 

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