この自由を手放すか?

「好きなことをやっているのでまったく儲からないです。結局それが問題なんですよね。それこそ日本にいる同期と比べたら、お金の面では〝僕は何をやっているんだろう?〟と思う。でも〝パリだし〟ってなるんです。だって家賃も物価も他とは2倍ぐらい違うから。結局フランスはほぼ社会主義国家なので、国家公務員は皆同じお給料。他の国の大学ではあり得ないんです。

僕も国家公務員ですが〝この自由を手放すか?〟となると考えますよね。それでいつも答えは〝ノー〟。お金は後からついてくるということに賭けているんです、実は。でも今のところ〝チャリ〜ン〟と音がしないから」

 

研究費も取れるようになり、やりたいことがやれる環境が整ったら、何がしたいのか?

 

「オーケストラでアマと音大の学生とセミプロがごちゃまぜになっているクラスタに〝対価があってもいい〟と考えています。100ユーロもらったら、やはり〝ミスできないな〟と思うし、がんばろうとも思うでしょう。お金がバーンとあったらそういうことをやりたいです。そしたらもっと皆の考え方が変わるかなと。
まあ、自分のことも考えてますよ、家が買いたいですね」

 

印象的なのは、学生のことを話すときだった。全身から「学校が好き、教えるのが大好き」とにじみ出ていた。作曲は個別のメッセージを書くようなものだと語っていたが、学生とも学問を通じてそんな対話をしているのだろう。「伝えたいというものじゃなくて、自分がまず楽しい」から、教える。だから先が見えたら「突き詰めるのが苦手」と言いながらも、研究者という道を歩んでいるのではないか――。

 

パリで研究を続ける地震学者は、〝自分のテンポ〟を心得ている自由の塊だった。

 

江尻(左)と冨士さん。目黒雅叙園にて撮影

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江尻が聞き手となって海賊たちにインタビューをしてテキストにまとめています。
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