「楽器と地震学はツールとして武器。自分のやりたいことにエネルギーを費やせる」

冨士延章(ふじ・のぶあき)さん
「久しぶりに会ったら、もう、めっちゃ海賊なんです。ぜひ〝海賊図鑑〟に出てほしい!」とランタン絶賛推しの冨士延章(ふじ・のぶあき)さん。普段はクールなランタンが「みなさま緊急のご連絡です!」と慌てて取材を調整してくれただけに、期待も高まる。ご縁のあるときというのは、トントン拍子で物事が決まる。冨士さんはちょうどパリから一時帰国中で、取材の後は関西へ移動するというタイミング。かくして平成最後の年の瀬の東京で、取材が実現した。

冨士さんとのファーストコンタクトは、まるでコントのようだった。
取材場所のホテルは人もまばらで、暖かいラウンジから見る美しい庭園の滝は、さながら規則正しく落ちていくインスタレーション……そんな心地よさの中に、メッセージが届く小さな振動でスマホが揺れた。

 

「すいませんすこしまよっています」冨士さんからだった。続いて「ホテルにはいるべきですよね?」……え? ほかにどこに行くつもりだろう? しばらくすると、重たそうなスーツケースを引きずりながら楽器ケースを担ぎ、頭からマフラーをぐるぐる巻きにした男性が現れた――冨士さんだった!

 

「パリの地球物理研究所の准教授をしていまして、指導教官として何人か育てたり、専門外ですが学部の1年生に数学を教えたりしています。2012年からパリに住みはじめて、6年目です。
音楽がずっと好きで、大学の時からファゴットをやっています。なので、本業は地震学者ですが、エキストラでオケに呼ばれたら行って演奏をして、ちょっとお小遣いをもらったりしています」

 

なんと、冨士さんは就職と同時に、オーケストラを発足させてしまったのである。

 

「僕がCV(履歴書)に堂々と作曲もするしファゴットもやると全然関係ないことを書いていたので、就職した時に所長に呼ばれて、〝君がフランスの文化になじむんじゃなくて、君が持っているものをポンポン出してくれ〟と言われて、研究の話をしているんだろうなと思っていたら〝そういえばうちの研究所にはオケがなかった〟と言い出して、ああ、そういうことか! と思ってオーケストラを作ったんです」

 

最初は研究者や学生を集めた〝デコボコ・オーケストラ〟だったと言う。レベルも皆ちがうし、週に1度集まって練習ができればいいほうだ。忙しくなり練習ができなくなると、少しずつアマチュアオケの仲間が仲間を引っ張ってきて、練習しなくてもできる人が集まってきた。そうなると、おのずとオーケストラのレベルも上がってくる。

 

「あっ、これはいろいろおもしろいことができるなと思って、暇な時間に適当に集まって、研究所のホールで〝変な音を出してみよう〟なんていうことをやっていたんです。絵を見ながら思ったことを吹いたり弾いたり、実験的なことを。それをYouTubeにバンバン上げ始めました」

 

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