冒頭にも触れたが、今井さん自身も離島に移住を決めた。鹿児島県三島村竹島。人口80人程度の離島だ。活動を通じて、自らが具現化してしまったのだ。これほど説得力のあることもない。

 

「もともと東京生まれで、父母の親戚とも関係が浅く、田舎に帰るという文化が家族になかったので、どこかにエスケープできるという感覚があまりありませんでした。東京に飽きてきても、次にどこに行っていいかわからない。だからたくさん旅もして。じゃあそろそろ移住してみようかと思ったとき、国内外視野に入れて探す中で〝東京と同じ暮らし〟がしたいかというとそうでもない。辿り着いた答えが〝生命力を解放できるホームがほしい〟ということでした。そうして出会ったのが、島だったんです」

 

なぜ、日本の島だったのか?

理由は、何よりも出会いのつながりだったという。当初は、海外移住をしたいと強く思っていたがなかなか叶わず、全国の〝移住計画〟という存在に出会ってから、日本の伝統・工芸・歴史もさることながら、何よりも人ーーその魅力に気づかされた。

島への移住は4年前に友人の勧めもあってうっすら考えていた。ご自身が音楽をやっていたこともあり、音楽で島が興されていることに魅力を感じて、三島村硫黄島硫黄島に移住申請をしたが、空き家がなく断念。それが2年ほど前から鹿児島の縁がつながり、その中で出会った竹島出身の友人を頼りに訪れ、東京とまったく違う竹島に魅了された。その友人が20年ぶりに島で唯一のお店を作ることになり、〝何か助けられないかな?〟というちょっとした想いがきっかけだったという。

竹島

 

「竹島はビーチはないし、飛び込むといったら岸壁から。色気はないですよね。そのぶん素潜りの潜り主がいっぱいいます。女性も当たり前のように釣りをしています。見た目はひょろっとしている友人も、実はすごい銛突きの名人で一緒に潜ると本当に頼もしいです。そんな日常がとてもフィットしました。島では飾る必要がなく、自分の意思で生きることができる。そして、ちゃんとした行政のルートに則り面接も受け、小さな村がきちんと受け入れてくれたのは、わたしの中でとてもセンセーショナルなことでした。
本当にどこまで行っても竹しかないんですよ。そのシンプルさがすごく良くて。海がそこにあって、いつもなら眺めると富士山が見えるかなという距離感に、硫黄島がモクモクしているのが見える。こんな生命力爆発の姿に負けちゃったんですね。
島で生きている人達のあまりのワイルドさの一方で、みんなアマゾンの通販にめちゃめちゃはまっています。アマゾンは離島料金とかないからって。そういうのを聞くと、道具が揃えられている島へ移住するよりも、ものすごく学べることがありそうでワクワクします」

 

もちろん東京は好きだ。ところが、仕掛ける側の仕事を続けていると「おもしろいことを起こさなきゃいけない」という先入観にとらわれ、強迫感すら感じてしまう。

 

「自分本位で動く時間がほしくなった時に、本を読んだり、コーヒーが大好きだからすぐカフェに行けたり。東京はいろんな場所があるけれど、東京にいると目移りが多過ぎるなと感じることもあって。そういう意味では、竹島はどこを見ても〝竹、海、空、以上〟なので、それぐらい強烈なシンプルさがほしい時に帰りたいんです。東京の場の力と島の場の力はやはり違いますから。
竹島でなくて別の島に行くのは、たとえば漁師文化がある島なら、漁師さんたちを見ていて、一次産業の人たちのたくましさを知ると、〝ああ、わたしはまだ生命力が弱いな〟と感じることができます。トピックスとして何かを取りにいこうというのではなく、感性を刺激してもらいたくって。刺激って都会だけが持っている特権ではないと思うんですよね」

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