「土地もある、ネットもある。覚悟があってやる気があれば何でもできる。そこからつながる縁、広がる世界観は無限大!」

井上寿美(いのうえ・ひさみ)さん
新緑まっさかりの上山集楽。曲がりくねる細い山道を軽トラが颯爽とスピードを上げる。窓から入ってくる風が心地よく頬をなでていく。ハンドルを握るのは、井上寿美(いのうえ・ひさみ)さん。いつ会ってもパワフルな女性――そんな印象を裏切らない井上さんを惹きつけてやまない、上山集楽の世界観とは?

井上さんは、前職で台湾での事業立ち上げメンバーとして、江尻と同じ釜の飯を食べた仲間だ。台湾での立ち上げ――オフィスもなく間借りした部屋に1つの机に3人がギュウギュウ詰めに座わる。会社のパソコンはなく、自分たち個人のパソコンを持ち寄って、印刷する時はUSBに入れて、印刷キーをかける。そして、ウイルス感染する……という時代だった。
 

「台湾の立ち上げも全部予想外の毎日だったし、なかなか経験したくてもできないじゃないですか? 予想外好き、想定外好きなんです。〝どうにかなるでしょ〟って。そうじゃなかったら台湾に行っていなかったと思います」開口一番、井上さんは歯切れよく言った。
 

「台湾時代もハプニングが多くて、わたしの人生では本当に過去一番、異次元な暮らしというか、生活というか、生き方というか。外国の方と働くなんて想像していなかったし、やりたいことや想いを誠実にちゃんと伝え続ければ、言葉が通じなくても意外といけるんだっていうことを初めて実感しました。
自分の想いを伝えたり、人を動かしたりすることを学びました。そう、言語以外の方法で伝えるというか。日本人同士のコミュニケーションは言葉が通じる分、逆にストレスがないので〝伝えること〟をなおざりにしているんじゃないかなと気づいたんです」
 

上山集楽でもその経験が活きている。おじいちゃん、おばあちゃんとのコミュニケーションでも通じないときがある。
「もうどうしようもなくて。どうやってこの人たちと通じ合えばいいんだろう? って考えると、言葉ではできないことですもんね」
 

上山の現在の人口は160人ほど、もともと8,300枚もあった棚田が放棄され、高齢化率40〜50%という現実の中で、想定できるのは棚田の再生をし続け、米を作って、その米を食べる、あるいは売ること。加えて農作業をして、その農産物を売る、あるいは6次産業化して消費者に売って暮らしていくことだ。
 

「でも、上山ってそうじゃなくて、想定外のトライアルとして半自動式の草刈りロボットの開発や電気自動車で走る世界観などあり、次々にチャレンジしていくことができるんです。
たとえば江尻さんとカッチがコラボしたらすごくおもしろいモノが生み出されるのではないかなとか、ちょっとワクワク感があって引き合わせたんですけど、人と人、モノとモノ、人とモノ、そういうコラボレーションの化学反応や、そこから生み出されるまた別の世界が楽しくなっていくんです」
 

何が起きるかわからないから、おもしろい。たとえば、草刈りロボットにしても、1年くらい前に「困りごとをアイデアで解決しよう」というテーマでオープンイノベーションとして「アグリハッカソン」をした結果、生まれた世界観だ。もしかしたら、いま上山で草刈りロボットの開発をやっていることが、また別の世界観を生み出していくかもしれない。そんな拓けた可能性を秘めているのが、上山なのだという。

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